【その9】人の期待を背負うのか

  コーチングを学び始めた人がよく陥る穴があります。 それは、クライアントさんと一緒に解決策を探してしまう事。   これをやるとドツボにハマるのですが、日々、問題を解決している私たちビジネスマンは往々にしてクライアントさんと一緒に問題にハマってしまいます。   コーチは「問題を解決するためにその人がどういう風に変化すれば良いか」ということを視点で関わります。   これが出来るようになるために、友人の奨めもありCTIの門を叩きました。   少し専門的になりますが、CTIのコーチングは「コーアクティブ・コーチング」といわれ、クライアントさんの本質的な変化を呼び起こすためにその人の人生全体を扱うコーチングです。   それは、自らの答えを見つけ、人生に豊かさと変化をもたらすような選択を繰り返す事によって自らの道を歩む事が出来るよう効果的にサポートするための手法です。   その応用コースは、コーアクティブ・コーチングを体に叩き込む3日×4回の集合研修でした。   詳しい内容はここには書けないのですが、トレーニングの中で「充実感にあふれた人生とは」という主題を扱う回がありました。   「充実感にあふれた人生とは人が本当に大事だと思っている事、価値を置いている事で満たされた人生だ」と、コースリーダーから示されるテーゼ。   自分が何を尊重しているのか?   そういうことを様々なワークを交えながら掘り起こしていった3日間でした。
そして、迎えた3日目の最後のワークで、はっと僕は気付きました。   国家1種技術系職員として今後期待される役割…   霞ヶ関の役所の中でコーチングの活動を行っている事で「霞ヶ関でコーチングが広がったら凄いよね」っていうコーチ仲間から寄せられる期待…   霞ヶ関の役所に入って喜んでくれている親からの期待…   それらの期待は、全て人からの期待であることに気付いたのです。 気付いたというより、頭ではなく心で理解したといった方が正確かもしれません。   あぁ、そうだったのか。   なぜこんなに苦しかったのか…   今わかった。   もうやめよう。   人の期待を背負って生きるのは辞めよう。   自分への期待で生きていこう。   「自分が何を望むか」に忠実に生きていこう。   そう心が言っていました。   思えばそういう人からの期待をずっと背負って生きてきたこれまでの人生だったのかもしれません。   その瞬間とめどなく涙があふれました。   こんなに泣いたのは久しぶりでしょう。 アメフト部のキャプテンやってた頃以来かな。あの頃はまだ感情が生きていたな。   仲間が箱ティッシュを渡してくれました。一緒に旅をしてきた仲間です。   コース中、みんな一度は泣いていたので、箱の中のティッシュはほとんど底を尽きかけていました。   こうして、僕は役所を辞めてコーチングの道を深める旅に出る事を決意したのです。   ただし、2013年9月30日に退職辞令をもらうまでにはそこからさらに2年の歳月を要したのでした。
    僕の大好きな本に「アルケミスト」という物語があります。   羊飼いだった少年が宝物を求めて砂漠を旅する物語で、   少年のメンターの役割を果たす「錬金術師」と少年との会話が心に響きます。   —- (引用)   <錬金術師> …なぜならば、心を黙らせる事は出来ないからだ。 たとえお前が心の言うことを聞かなかった振りをしても、それはお前の心の中に居て、お前が人生や世界をどう考えているか、繰り返し続けるのだ。   (途中略)   お前は自分の心から、決して逃れることはできない。 だから、心が言わねばならないことを聞いた方がいい。そうすれば不意の反逆を恐れずに済む。   — <少年> なぜ、人の心は夢を追い続けろと言わないのですか?   <錬金術師> それは心を最も苦しませることだからだ。そして心は苦しみたくないのだ。   (引用終わり) ————————-   心というものは本当に不可解でどうにもならないものだと思います。   だからこそ、日々、自分の心に耳を傾け、心が何を言おうとしているのか、よく聞いてあげると良いと思います。   (その10に続く)
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管理人:山田 亨 (Toru Yamada)

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米国CTI認定コーアクティブコーチ(CPCC)
The Leadership Circle プラクティショナー
NPO法人企業内コーチコミュニティ代表
TLCジャパンアソシエイツ
「まなゆい」ファシリテーター など

クライアントのロジックをたどりながら、そこに潜む発展を妨げる感情や思考のフレームを炙り出し、伸びやかな自己実現/リーダーシップの発揮を支援しています。

大阪府出身。元官僚。元アメフト部主将など

はじめての方は、まずはこちらをご参照ください。
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